難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究 厚生労働省難治性疾患政策研究事業

お知らせ

NUDT15遺伝子検査が自己免疫性肝炎に対して保険適用になりました

最終更新日:2019年12月10日

自己免疫性肝炎に対してアザチオプリン(イムラン、アザニン)が使用されますが、アザチオプリンの副作用として重度の白血球減少症や脱毛が起こることがあります。Nudix hydrolase 15(NUDT15)はアザチオプリンなどチオプリン製剤の代謝に関わる酵素の一つです。NUDT15遺伝子のcodon139における遺伝子多型により、酵素活性が著しく低下するシステインホモ(Cys/Cys)を持つ場合、アザチオプリンの投与後、早期に重篤な副作用(重度の白血球減少症や全身脱毛症など)を生じるリスクが高いことが報告されています。
2019年11月、NUDT15遺伝子型検査が自己免疫性肝炎に対しても保険適用となりました(こちらをご覧ください)。自己免疫性肝炎に対してはじめてアザチオプリンを使用する場合には投与前にNUDT15遺伝子型検査を行ってください。結果がCys/Cys型の場合、重篤な副作用が出現するリスクが非常に高いため、原則としてアザチオプリンのは使用は勧められません。また、Arg/Cys、His/Cys型の場合には低用量(通常の半量程度)の使用を検討してください。なお、これらの副作用のリスクが低いとされるArg/Arg、Arg/His型の場合にも、副作用に注意が必要です。 

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